コラム-アスベストの危険性

 解体に関するお役立ちコラム

・アスベストの危険性

アスベストとは

アスベストは繊維状の鉱石なので、石綿とも呼ばれています。少なくとも紀元前2000年以前にイタリアの鉱山で採掘され、ランプの芯やミイラを包む布などに利用されてきました。アスベストは耐熱性や耐久性に優れ、電気や熱を通しにくい性質を持っているため、船舶の保温材を始め、建築資材や電気製品など産業に欠かせない材料になりました。安価にも関わらず幅広く利用できるため「奇跡の鉱物」と呼ばれ、日本の産業振興や高度成長を支えてきました。

なぜ人体に害を及ぼすのか

アスベストは非常に微細な繊維状の鉱石であり、ほぐすと髪の毛の5,000分の1ほどの細さになります。そのため、空気中に飛散したアスベストを吸引すると、肺の細胞奥深くまで侵入することから人体に害を及ぼすことが指摘されていました。侵入したアスベストがどのように肺がんや悪性中皮腫、肺繊維症(じん肺)などを引き起こすのか、その詳細までは分かっていません。しかし、吸引してから長い年月を経て健康被害が起こることはWHOより報告されています。そのため1975年にアスベストを吹き付ける作業が原則禁止となり、2006年に「石綿による健康被害の救済に関する法律」が成立しました。

アスベスト対策をしっかり行う

アスベストは産業に多大な貢献をしましたが、老朽化した建物からアスベストが飛散する可能性があり、災害や事故などで大量のアスベスト被害が起こることもあるようです。そのため古い木造住宅や鉄骨造住宅、商業ビルや公共施設などの解体工事には注意を要します。業者がアスベスト対策をしっかり行わなければ、作業員や周辺住民への健康問題が危ぶまれます。
規模が小さい家屋解体工事や内装解体工事は証明証や手続きが要らないケースもあるので、安全対策が疎かになることもあるようです。解体工事を依頼する際は「アスベスト対策をしっかり行っている業者か」を確認することをおすすめします。